「市役所って残業代ちゃんと出るの!?」
市役所って色々恵まれてるって世間では良くききますよね。
だから将来は市役所に勤務したいって方も多いと思います。
そこで気になるのはサービス残業ですよね。
世間では恵まれてるという印象がすごく強い市役所ですが
だからこそ残業代がちゃんと出るかってどうかっていうのはすごく気になるポイントですよね!
私も市役所に勤める前はすごく気になってました。
だって、サービス残業なんてしたくないですもん!
大体1時間あたり若い職員だと単価が1,500円ぐらいだと仮定して
月10時間サービス残業したらどうでしょう?
1,500×10=15,000円
月に15,000円もただ働きですよ!?
こんなにお金あったら色々なことできるし時間だって投げてるようなもんです。
だから絶対にしたくないと思っていましたね。
私の様に市役所の残業代がちゃんと出るのか気になっている方は多いはず。
そこで現市役所職員の私が
「市役所の残業代の真実」について話していきたいと思います。
この記事を読むメリット
- 市役所の残業代の真実が分かる
- 残業代のリアルが実体験で分かる
市役所にもサービス残業はある
結論から言うと市役所にもサービス残業はあります。
市役所が完全ホワイトなイメージが合った方は気を落としてしまうと思いますがこれが真実です・・・
では、何故市役所にサービス残業が発生してしまうのでしょうか。
理由は以下の通りです。
ポイント
- 市役所の残業代は申請主義
- 市役所の予算には限りがある
- 中身の無い残業対策が多すぎる
- 引継ぎ不足による労働時間の増
ではそれぞれの項目について詳しく説明していきますね。
市役所の残業代は申請主義
まず市役所の残業代の仕組みについてですが、ちょっと変わった仕組みになっています。
私は民間企業も数社経験しているのですが
そのどの企業においても残業代が支給される仕組みは以下の通り。
- 上司から残業を指示される
- 皆が残業指示を了承
- 残業代支給
対して市役所は
市役所の残業代の仕組み
- 自分から残業代を勤怠システムで申請
- 上司が残業を承認
- 残業代支給
民間企業は上司に指示されて残業代が発生するのに対し
市役所は自分から残業代を申請しなければ、残業にはなりません。
わかりますか?このやばさが。
残業代を申請しなければ、そもそも残業なんて
「なかったこと」
になってしまうんですね・・・
公務員の残業時間の平均なんてものが公開されていますが、ハッキリ言って全く参考にならないと思います。
だってもし申請していなければ、残業としてカウントされないんですからね。
国家公務員なんて、そのやばさが顕著です。
最近やっと問題視され始めた霞が関の長時間労働。
真夜中になっても明かりがつきまくっていると有名な霞が関。
実際私の公務員専門学校の同期に
元国家公務員の友人がいたのですが
「10時帰りが速く感じるぐらいいつも帰りが遅かった」
と話していました・・・
国会の答弁書作成時期になるとまず家に帰れなるそうです。
そしてこの残業申請主義のせいで以下の様な状況が発生します。
残業申請主義では・・・
- 残業代を申請するのが申し訳なくて出来ない
- 先輩が申請してないから自分もしない
- 上司から申請するなと言われる
私の周りの職員の方も残業代を遠慮して申請しない職員がたくさんいるんですよね。
そういったことが長年続いた結果
残業代を申請しない空気が出来上がってしまったり・・・
そうした空気の中先輩が残業してないのに自分だけ申請するって中々難しいですよね。
それに上司から
残業代をあまり申請しない様に言われてしまうことも・・・
部下の残業時間が多すぎると評価が落ちてしまったり問題になってしまうことがあるためですね・・・
皆さんもこういった場面を一度想像してみて下さい。
「残業代申請するの気まずいな・・・」
って思いますよね・・・
私も残業代申請を少なくするように圧力をかけられたことは何回かあります。
そうするとやっぱり残業を申請するのがだんだんと辛くなってしまうんですよね。
ただ、辛いですが損はしたくないのでしっかり申請はしてます。
ですので私自身はサービス残業経験はそれほどありません。
ただ、実際問題こういった空気があるのでサービス残業する職員がたくさんいるのが現状です。
ポイント
- 民間企業は上司から残業を指示される
- 市役所は残業代を自分から申請
- 残業代は申請しなければ残業がなかったことになる
- 残業代を申請し辛い空気が蔓延している
- サービス残業が発生する
予算に限りがある
市役所の残業代は予算から出ているんですよね。
予算編成の仕組みは以下の通り。
- 各課で予算案作成
- 財政課や市長がそれを確認しOKをだす
- 予算案を議会で議員達に確認してもらいOKをもらう
こうして残業代の予算は決定されてしまうわけなんですが
基本的にはこの枠の中でしか残業代は出すことは出来ません。
もし決定された残業代の予算を増やすとなると
- もう一度議会で議員達からOKをだしてもらう
- 客観的な増やす根拠
こういった手順を踏まなければいけません。
だから、すごく労力がかかってしまうんですよね。
だから誰もやりません!笑
こんな環境のおかげで、あえて残業代を申請しない人がいるのです。
実際私の隣の方は、ここ一年毎月30時間以上残業してるのにも関わらず
残業代の申請を一度も行っていません。
理由は
「単価が高い自分が残業代申請をしてしまうと、みんなに残業代が支給されなくなってしまうから」
実際その方のおかげで少ない残業代の予算が保たれているのは事実・・・
しかし、それと同時に残業代申請をしづらくなっているのもまた事実・・・
これが
「市役所のジレンマ」
なんでしょうかね・・・・
ただ、財政的に余裕がある自治体はもちろん残業代の予算もたくさん持っていることがおおいので
予算を理由にしたサービス残業はない場合もあります。
ポイント
- 市役所の残業は決めれたら予算内でしか出すことは出来ない
- 予算を増やすのはかなり大変
- 予算を気にして残業申請しない人も多い
- 財政的に余裕がある自治体は残業代もでやすい
中身のない残業対策が多すぎる
最近私の自治体では残業時間月間予定表の作成が義務になりました。
目的は残業時間を適正に把握して残業時間を削減することだそうです。
しかしこれ、そもそも残業の原因が仕事が終わらないことが原因のはずなのに業務量が減らない残業対策に意味があるのかすごく疑問です。
その割にすごく各項目が多くてただ時間がかかってしまうんですよね。
忙しい人は、もちろん仕事最優先なので
こんな予定表はさっさと終わらせて仕事に戻ることも多いのです。
実際私の職場の方々はほぼ全員そうなっていますし、私自身もそうです。
ただ、余計な仕事が増えたイメージです。
そして、ノー残業デー。
私の自治体では水曜日に設定されていて
他の自治体でも大体水曜日や金曜日ですね。
ただこれも全く意味がありません。
水曜日の残業申請がいつもより提出書類が多く残業が承認されるまでかなり大変になります。
ですので、残業する人は気を使って
残業代申請をしません。
まさにノー残業代デー
それに水曜日だけ絶対に残ってはいけないってなるとかえって予定が立てにくいんですよね。
本来は木曜日に自分の用事があるので
水曜日に残業をしたいのにそれが出来なくなり、渋々予定を変えたり。
水曜日にやる予定だった残業を他の日に移しただけであったり。
そしてこの取り組みも業務量が減る様な取り組みではないため
残業時間自体は全く減っていません。
この様に形式的な残業対策が多く
かえって職員の負担を増やしてしまっている上に
サービス残業になっているのです。
実際これらの取り組みで成果が上がった部署は今のところ1つもありません。
ポイント
- 残業予定表やノー残業デイなどの形式的な対策が多い
- 業務量が減るわけではないのでほぼ効果なし
- むしろ職員の負担が増えている
- これらの対策で残業削減実績は無い
引継ぎ不足により労働時間が伸びる
市役所は2~3年に一度必ず部署移動があります。
この部署移動による引継ぎ期間は
「約二週間」です。
準備が良い人は、かなり前から引継ぎの資料を作製を始めるためいいのですが
多くの人は自分の業務が手いっぱいですし、大変ですからこんな親切なことはしてくれません!笑
ですから、異動していきなり何もないまま自分が新しい業務を担当します。
だから必然的に経験が浅い職員や
難易度の高い業務を担当している職員は、無駄な残業が多くなってしまうのです。
そして真面目な人は引継ぎ不足による残業を
自分の力不足だと感じてしまいます。
「今残ってるのは、自分の経験不足だから残業申請なんて出来ない・・・」
申請しようとしても
「お前の力不足だろ?」
と言われてしまうことも・・・
私の隣の課の新人がこれを言われているのをきいてしまってびっくりしましたよ・・・
新人の残業申請は認めてあげるべきだとおもいますがね・・・
覚えるのも仕事の内なんですから・・・
ただこれは上司によって対応が変わってくるので一概には言えないことも多いですが。
人によって残業申請出来るかどうか違うのっておかしいと思いますけどね。
市役所も残業は減らそうと動きだしているのは事実
ここまでサービス残業の実態について記述しましたが
働き方改革の影響もあり
市役所が残業を減らす取り組みが本格化してきたことは事実です。
私の自治体のより実践的な取り組みとして
実践的な残業対策
- RPAの導入
- 残業が多い部署に対しての人事課との面談
- 管理職に対して残業代申請に対しての認識を改めるよう通知が来る
RPAとはRobotic Process Automationの略語で
簡単に言うと
「単純な一連操作を自動化しちゃうぞー!」ってシステムですね。
実はコロナ給付金の申請書読み込みもRPAを駆使して対応しました!
実際やってみたらすごく便利です。
これが全庁的に広まれば間違いなく残業は減ると確信が沸くレベルです。
まだ一部の仕事にしか導入出来ていませんが、積極的に対応出来る業務を増やしていく予定です。
RPAに関しては茨木県のつくば市が有名ですので是非ご覧になってみて下さい!
そして残業が多い部署や、その上司に対して
以前は書面で警告を送るだけでしたが
今では直接呼び出したり
職場に抜き打ちで来たりしています。
これには上司も対応せざるを得ないでしょう。
いじきたない上司が注意されてるのをみて
「もっとやれ!!」ってなっちゃいましたもん笑
そして管理職に対して
「残業申請させないようにするなんてもう古いぞ」
って趣旨の通知を今では積極的に出しています。
これにより市役所全体の残業申請に対する意識が変わりはじめています。
このおかげか、昔に比べたら残業代は出やすくなっているのは事実です!
公務員専門学校時代の友人達も
「周りにサービス残業をしている人はいるけど、自分はしたことがない」
って人が大変でした。
ですから今から市役所の職員を目指す方は
サービス残業は極度に心配する必要はないと思います。
ポイント
- 自動化システム(RPA)等の残業対策も始まった
- こういった取り組みで市役所全体の空気は変わりつつある
- 友人の市職員達もサービス残業はしていない
市役所の残業代まとめ
では市役所の残業代の現状についてまとめます。
市役所には
サービス残業は実在していて
主な理由は
ポイント
- 市役所の残業代は申請主義
- 市役所の予算には限りがある
- 中身の無い残業対策が多すぎる
- 引継ぎ不足による労働時間の増
しかし、ここ最近では
実践的な残業対策
- RPAの導入
- 残業が多い部署に対しての人事課との面談
- 管理職に対して残業代申請に対しての認識を改めるよう通知が来る
こういった取り組みにより残業は減っているし
サービス残業をさせないようにと認識は変わりつつある。
これが本記事でのまとめとなります。
今から市役所への勤務を考えている方サービス残業に対して不安ですよね。
サービス残業が実在しているのも事実ですが
している人がかなり減ってきているのもまた事実。
多くの人は、残業申請しづらい空気を感じながらも
サービス残業はしない方向へチェンジしています。
ですから、あまり心配しすぎず
自分の価値観としっかり照らし合わせた上での決断であれば
より良い市役所生活になると思いますよ!